ダンパーはバネの振動を抑えるのが主目的である。従って、バネレートに対し最適値があり、基本的にはそれに倣う。

クルマを落としてみて、一発でピタリと振動を止めることが出来る最も軽い番手、これが基準になる。

クルマは、先端・後端をそれぞれ持ち上げて落としてみると良い。
バネレートの前後バランスが悪いと、前を落とした時は後ろ、後ろを落とした時は前に、細かい「揺り戻しが来る」からである。
前後別に落としてみることで...「フロントが跳ねる」原因が、「リアの硬過ぎ」である場合など...クルマが跳ねる原因をより細かく観察することが出来るのだ。

但し、硬めのバネレートを使っている場合、いくらオイル番手を上げても「一発でピタリ」とは止まらない場合もある。減衰力が強過ぎると却って跳ねるので・・・この場合は、実際に走ってみて、走行に悪影響を及ぼさない程度の跳ね具合を探りたい。


市販のダンパーオイル。番手は水を1とした粘度と言われているが、明確な規格は無く各社製品間には若干の誤差があるため、使用ブランドを統一するのが望ましい。


ダンパー構造図(準備中)

一般的には#400(ブランドによっては#40)前後の番手が標準となっている。
もし#1000...市販品中最大級の硬さ...でもクルマが跳ねる場合、

  1. バネレートが異常
  2. ピストンの減衰力不足
  3. 精度不良
が考えられ、以下の対策が必要だ。
  1. は、バネが硬過ぎる。そのバネレートを必要とするセッティングは根本から間違っている可能性が大きい。標準的な軟らかさに戻す。
  2. オリフィスが大きいと、硬いオイルも効果が無い。小径オリフィスのピストンがオプションで用意されているハズなので、これに交換。
  3. ピストンとシリンダー内壁のクリアランスが広いと、やはりオイルの減衰効果が弱くなる。
    エアを抜くときに、オリフィスよりもこの隙間から多く気泡が上がってくるようなダンパーで、オイル#50の違いを感じることは難しい。ユニットごと精度の高いものに交換するのが望ましい。


リアの減衰力は、クルマが跳ねなければ殆どベストである。

フロントの減衰力は、強化することで以下の様な効果がある。